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Kai 3 休憩室・・・漢字パワーと隠れたタイプミス

2013年3月28日

先日、テレビでサッカーの試合を見るとはなしにかけてました。途中アナウンサーの「サンレンパ」という声が聞こえ、「えっ?三連覇?それとも三連敗のこと?」と改めて画面を見たら、どうやら鹿島アントラーズの三連覇を話題にしているようでした。

三連覇と三連敗。この字を読み比べて混同する日本人はいないと思いますが、これをローマ字にすると最後の “i” の違いだけなので驚きます。

“sanrenpa” vs “sanrenpai”

(ところで三連覇を sanrenpa と表記するか、sanrempa と表記するかは議論の分かれるところです。私も日本橋兜町に事務所を開いたときは、住所の英語表記をNihonbashi とするか Nihombashi とするか少し悩み、いろいろ調べました。)

昔、日本企業の法務部に勤めていた頃、昼休みのたわいもない話しが楽しみでした。ある時、隣の特許部のSさんが「三菱のマーク知ってますよね。あの菱形をどんどん細くしていくとどうなると思います?」と言うので、「さぁ」と返事をしたら、「ある線を超えると、ベンツのマークになるんですよ」という答えでした。「へー」と結構感心したことを覚えてます。彼女は商標担当でした。

三菱グループはその後、1990年にベンツと包括的な提携関係に入りましたが、このときのことを思い出しました。

ところで皆さん、三ツ星という会社はご存知でしょうか?日本ではあまり有名とは言えませんが、各種ベルトを製造する世界的な企業です。

三菱と三ツ星。日本人で混同する人はいないでしょう。勿論、一方は日本最大の企業グループで、他方は一般にはさほど馴染みのない企業名ですから当然かもしれません。

そのような背景知識なしに単純に漢字を比べても、受け取るイメージは全く異ります。共通の「三」という文字が混同を招くおそれは全くないと私は思います。しかし、その英語表記を見ると、混同しないのが不思議なくらいです。実際に並べてみましょう。

Mitsubishi vs Mitsuboshi

実は、かすかな記憶なのですが、私が Mitsuboshi という名前を覚えたのは、日本ではなく、留学していたアメリカ時代だったような気がします。何かの折にこのスペルを目にし、最初は「三菱か」と思いましたが、やがて間違いに気づき、それにしても良く似てるな、とびっくりしました。ましてや、アメリカ人にとっては日本におけるほど Mitsubishi (三菱)には強烈なイメージはないでしょうから、案外 Mitsuboshi と混同しているのではと思ったものです。

実は法務翻訳の仕事をしていると稀にですが、if と of の間違いを見かけます。

私が読む英文原稿はほとんどアメリカの一流企業や法律事務所が作成したものばかりです。何人もの専門家の目を経ているものですから、とんでもない誤植というのは滅多にありませんが、案外この簡単な間違いが見過ごされるのですね。生憎、if も of も存在する単語なので、スペルチェックではひっかかりません。タイプするときに、i と o のキーは隣同士なので、ミスタッチが稀に生まれているのでしょうか。

私がお目にかかった文章は、例えば次のような文章です。守秘義務に触れない程度に内容を少し変えました。

“Confidential Information will be disclosed by both parties. In the case of the Contractor disclosing, this may include disclosure through one if the Contractor’s affiliates.”

どうでしょう。この through one if は明らかに through one of の間違いですね。実際、Google で ”through one if its” や through one if their または ”on behalf if the”(正しくは on behalf of the)で検索すると、結構ヒットします。お暇なときにでも試してみて下さい。

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