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廃れるもの、廃れないもの - その2

2016年2月3日

・ (honorable mention)ガリ版: 私の高校の頃まで、学校のテストはガリ版で作られてました。父親が高校教師でよく自宅で「切って」ました。これは一つの立派な「システム」です。いくつかの魅力的な一連のツールで構成されてます。子供の好奇心を大いにそそるものです。しかし大学を経て社会人になる頃には完全に廃れていたので、私があの鉄筆を手に取り、アームカバーに袖を通すことは一度もありませんでした。ガリ版を刷るシーンはジブリの「コクリコ坂から」に出てきます。若い人達には「なんだあれ?」のシーンだったでしょう。

・ トラベラーズチェック: 新規発行が止まりました。ご存知でしたか?学生の頃の旅行。社会人になってからの数知れない海外出張。常にトラベラーズチェックがお供でした。クレジットカードが普及した後も外国へ旅行するときは必ず幾ばくかの金額をトラベラーズチェックに換えて携帯したものです。しかしある時からトラベラーズチェックを全く使わずに帰国することが多くなりました。数年前、シティバンクが新規発行を停止するというニュースを聞きた時は小さなショックを受けました。日本橋支店を訪れ、残っていた全てのトラベラーズチェックを換金しました。ちょっと寂しかったです。しかしあっという間にあったことを忘れたのも事実です。

・ 黒電話: 30歳以下の人は見たこともないのでは。昔、電話は全て黒かったのです。エボナイトでできていたはずです。私が最初勤めた会社は結構国際的な会社でしたが、なぜかプッシュホンが普及した後も、しつこく黒電話を使ってました。これはダイヤル式です。リダイアル機能などないので、頻繁にかける相手であってもその都度全ての番号をジーコジーコと回さなければなりません。この「番号を回す」ということを今の若い人は理解できないでしょうね。そういえば「電話をかける」という表現はまだ残ってますが、この「かける」というのはなんでしょうかね?ダイヤル式だったから生まれて表現なのかもしれません。アメリカでもダイヤル式電話を見ることはありません。しかし英語でも “dial” という動詞が使わます。電話を「かけて」相手が出ない時に流れるメッセージにはいくつかのパターンがありますが、その一つは “Your call was not completed as dialed. Please try again.” というものです。

職場では何日かに一回、掃除のおばさんが黒電話の清掃に来ました。話し口の丸い器具(プラスティックだったような記憶が)を外して布でキュッキュッと拭いていたのを急に思い出しました。

 

(この項続く)

 

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