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Procrastinate

2016年1月20日

 先日、税理士事務所から源泉徴収納付票が届きました。その日の午後から出張が入っていたので、どうしようかと迷いました。

ATMでなく銀行窓口に行かないと処理できません。出張の準備もあるしあまりばたばたしたくない、という理由で出張から帰ってきてから処理しようと思いました。

しかし、結局、その日の午前中に銀行にいって済ませてきました。

まず、出張期間を考慮すると余り余裕のない納付期限でした。出張は伸びるかもしれないし、予定通りに帰ってきても、その時また別の大事な用事が起きているかもしれない。そう考えてのことです。

 

私は昔はなんでも先送りしたがる人間でした。夏休みの宿題など、ぎりぎりまで放って置いて、最後はひどい出来でした。

いまだにトラウマです。

大学に入ってもこの癖は変わらず、しまいには自分が欠陥人間では、と思うようになりました。回りの人は皆、てきぱきと用事をこなしているように思えたものです。

そんなとき、procrastinate という単語が英語にあることを知りました。

辞書では「ぐずぐず延ばす」、「引き延ばす」、「先送りする」、「遅延する」などと訳されてます。

そして特に米国ではこのprocrastinateが日常用語であり、これから脱するためにどうすればいいのか、というハウツー本も限りなくあることを知りました。

後年米国で暮らした時、どこの本屋に行ってもこれをテーマにした本が数多く置いてありました。procrastination をテーマにしたコーナーもあるくらいです。

米国人は何でもてきぱき仕事をこなす、という印象を持っていたので、これにはびっくりすると同時にホットしたことを覚えてます。

 

procrastination には「優柔不断」という訳語も当てられていますが、私が随分昔に買って今でも重宝している MacMillan Contemporary Dictionary には “to put off doing something until a future time, esp. to do this habitually” とあります。

どうでしょう。 “habitually” というところでぞくぞくしませんか?

このように “procrastinate” は、あることを何かの理由で先送りする、という単発的な事象を指すのではなく、そういう性癖の存在をより強く意識した言葉です。ですからこの言葉を冠したハウツー本が山のように出ている訳です。

私が米国系企業で働いたときも米国人の同僚がこの言葉をよく使ってました。日常会話に普通に出てくる類の単語です。決して専門用語ではありません。

 

さて、私は1997年に会社勤めを止めて自営業になりました。組織は一応株式会社ですが、仕事は全て自分一人でやってます。

そこで否応なく気付いたのは、問題を先送りすると結局自分に返ってくることです。

大きな組織にいるときは問題を先送りすると、誰かが遅れを吸収してくれることがあります。希にですが問題そのものがうやむやになって消えることもあります。

しかし一人体制ですと、結局自分につけが帰ってくることを痛感します。

そんな訳でここ数年は、やれることはすぐやる、という習慣が否応なく付きました。

翻訳の仕事はいずれにしろ納期にコミットしますので procrastinate の問題は起きません。

しかしコンサルタントの仕事は、クライアントからいつまでという締切を示されないこともありますので、場合によっては procrastinate しそうになります。

しかし今は極力、明日できることは今日やる、という方針でやるようにしています。

 

 

 

 

 

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