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Incorporation by reference

2019年3月31日

平成最後の年度末の朝は肌寒いです。夜中に雨がちょっと降ったようで、事務所が入っているビルの前の桜並木も、少し花が散って路上に張り付いてました。まだ7分咲きくらいなので、大勢には影響ないでしょう。今週の中頃が見頃でしょうか。次の週末は暖かくなりそうです。

 

 

さて、前の話の続きです。サインをする契約書本体に、他の文書をどうやって盛り込むかについて話しましょう。英語では “incorporate” といいます。

二つ方法があります。一つは物理的に契約書本文に添付する方法。もう一つは物理的には添付しないで、単に対象文書を「引用」することで契約書本文に盛り込む方法です。

物理的な添付は、とにかくサインする契約書に強引に添付する方法です。ホッチキス止めとか、凝る場合は、紐で全てのページを綴じて蠟を垂らし、まだ柔らかいうちに印章を押す方法もあります。この場合でも、慎重を期す場合は、各ページにイニシャルをします。契約書本体も、署名欄を除き、各ページにイニシャルをすることもあります。私がかって扱っていたプラント建設契約などは、膨大なページになりますので、署名はお偉いさんがしても、各ページのイニシャルは契約担当者が相手方と一緒になって延々とやったものです。

しかし物理的な添付が不可能なものもあります。例えば膨大な技術仕様書とか、契約交渉の過程で一方の当事者が数ヶ月も前に提出したプロポーザルとか。更には当事者の会社ポリシーとか。現在は当事者がホームページ上で公開している文書なども契約書に盛り込むことがあります。このような場合に用いられるのが、引用による盛り込みです。英語では”incorporated herein by reference”などと規定します。

この方法を取れば、契約書本文に物理的に添えなくても、契約の一部にすることができます。

続きは次回で。

 

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