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void とunenforceableの違い(続き)

2019年5月13日

 

 

一つ例をあげます。

未成年の子供がおもちゃショップの大人の店長とフィギュアを買う契約をしたとします。翌日100ドル持参すればフィギュアを渡してもらえます。

この契約は有効です。双方が契約を実行したいと思っているのに、当局が介入してこの契約は無効(void)だ。売買はできない、ということはありません。殺人契約や麻薬取引契約とは異なります。

さて、子供が家に帰ってから調べたらそのフィギュアは1ドルもしない安物でした。いわば一杯食わされた訳です。子供は契約の実行を反故にします。大人は契約違反を問えるかというと、アメリカの多くの州ではできません。契約は有効ですが、大人の側は未成年相手にenforce できないからです。これがunenforceable ということです。

反対のケースはどうでしょう?子供が帰った後、店長がよくよくしらべたら、そのおもちゃはとんでもないレア物で、10,000ドルで軽く売れるものでした。店長は契約を反故にできるでしょうか?未成年相手の契約だからunenforeable だ。引渡を拒否しても、子供には引渡を強制(enforce)できる権利はない、と言い張れるでしょうか?

勿論駄目です。大人の側から反故にすることはできないからです。つまり未成年の当事者は大人に対してこの契約を強制(enforce)できるということです。

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